芝居・身体表現 大槻オサム
作曲・演奏  谷本 仰


Tremolo Angelos



『ホシハ チカニ オドル』
 広島公演  

2024年 (Stage54〜56)
 6/7(金) @19:00〜20:40
 6/8(土) A13:00〜14:40 B16:30〜18:10
開場は開演の30分前/上演75分、5分後からトーク20分での、全長1時間40分。

会場 カフェ・テアトロ・アビエルト  (広島市安佐南区八木9丁目10-40)

 ***終演後ゲストを交えて出演者2人と、ご来場者の感想シェアの時をもちます。 
■ゲストトーカー
金曜@
田浪亜央江 さん(パレスチナ文化研究)/ 藤原辰史さん(歴史学者)
土曜A
平石もも さん(アートマネジメント)
土曜B
ガタロ さん(画家)


一般予約 2500円 当日3000円 学生(中〜大学・専門) 1500円 
小学生1000円(未就学児無料)
※演出上、会場が真っ暗になる場面があります。ご留意ください。
※アゲイン予約=今までホシチカを観たことのある方はその時の会場名・時期を書いてご予約頂けたら500円割引。
※リピート割引=今回の公演を両方ご覧になる場合2回目は1500円でご予約できます(学生500円)。  

予約・お問い合わせ tandokuryokousha@gmail.com
           080-1711-5074(ピカラック)

■空間統括・映像操作:大塚恵美子(大猫座)
■制作・照明:たにせみき
■協力:アビエルト小組

 


闇の中の対話たち


1999年9月30日、東海村。美しく青く輝く光が、人間を包み貫く。
JCO臨界事故の光は、DNAを損壊し、細胞の再生機能を破壊し、身体を崩壊させた。しかし、それは人間そのものの崩壊だったのか。

1986年4月26日、チェルノブイリ。被曝して死んだ原発労働者たち。ひとりは現場で行方不明となったままだという。
その遺体は、放射能を閉じ込めるために4号炉を覆って作られた分厚いコンクリートの「石棺」の中、大量の放射能に汚染されたまま26年間、放置されているのだろう。
消火作業に従事し、被曝死した労働者たちの遺体も、コンクリートと鉛の棺に封印されて埋められた。
高レベルの核廃棄物として処理された身体たちは、しかし、物言わぬ躯(ムクロ)なのか。

1945年8月6日ヒロシマ、8月9日ナガサキ。原爆。1954年3月1日ビキニ礁沖。水爆。
1991-92年、2003年バグダッド。劣化ウラン弾。光によって生み出されてきた、闇たち。

しかし闇に目を凝らすとき、そこから何かが生まれ出ようとして蠢くのが見える、ような気がするのだ。
それは閉じた瞼の裏に映し出される光の文様のように、人間の脳が生み出す幻影か。
それとも、闇に慣れ始めた目が、そこにあるのに見えなかったものをついに見るようになったのか。

闇に耳を傾けるとき、そこに微かなモノオトが聞こえてくる、ような気がするのだ。
それは無音の中で鳴り響く耳鳴りなのか。それとも、光の轟音にかき消されて聞こえなかった、静かな細い、天使の幽かな羽音か。

この作品を、闇を世界へと照らし返す鏡の、闇を響かせる器の、興(おこ)された者たちと共に酌み交わすモノガタリの杯の、ヒトツとしたい。
そう願いながら、目を凝らし耳を澄まそうと思う。

この出来事の場で出会う「あなた」との、静かな、いくつものDialogueによって、「あちら」でも「こちら」でもない、「もうひとつの世界」を呼び起こしたい。

                                 Tremolo Angelos

30回の上演を経て(大槻オサム)2016年2月2日
http://ebisu-daikokuya.at.webry.info/201602/article_1.html
(谷本仰)2016年2月20日
http://blog.livedoor.jp/aogoomuzik/archives/52453827.html


■2013年4月、京都公演感想

http://matome.naver.jp/odai/2136532620462022801


■2012年6月、北九州公演記事

小倉経済新聞 http://kokura.keizai.biz/headline/373/ 

朝日新聞 http://t-etc.net/asahi20120608_s.jpg 
「ひろば北九州」2012年6月号 http://t-etc.net/hoshichika_hiroba06.htm (大塚恵美子) 

■2011年2月、広島公演感想


広島市立大学国際学部准教授・柿木伸之さんの感想
https://nobuyukikakigi.wordpress.com/2012/12/29/tremolo-angelosdialogues-in-the-dark-2011/


「作品に触発されて」と、一遍の詩を送って頂きました。
http://t-etc.net/tremolo_angelos5.htm

 
毎日新聞益田支局の上村里花記者の記事(2011.02.20.)

閑想閑話(島根)

人っ子一人いない森の中。木々はざわめき、動物たちがうごめく。木漏れ日の差す中に放置されたコンクリートの塊。その中に閉じこめられているのは、チェルノブイリ原発事故で被ばくした作業員の遺体。

先日、広島市で舞台「ホシハ チカニ オドル」を見た。
チェルノブイリ原発事故、東海村でのJOC臨界事故、パレスチナやイラクなど各地のさまざまな犠牲者たちをモチーフとした作品で、大槻オサムさんによる一人芝居と、谷本仰さんによるバイオリン演奏とのコラボレーション舞台。大槻さんは言う。「『自らは語り得ない』死者たちに成り代わって、語り得ない<出来事>を語りたい」と。
コンクリートに閉じこめられた遺体が夢想するのは、青く冷たく輝く星になること。
今も「出来事」は各地で起こっている。島根原発は運転が再開されようとし、山口県上関町では新たな原発建設が進む。劣化ウラン弾に苦しむ子どもたちがいる。

世界はつながっている。それを多くの人に感じてほしい。そう切に願った。

 

********************* 公演記録 *********************

2010年1月 上関原発建設に異議を表明するムーヴメント「NO NUKES RELAY」の一環で2人による即興ライブ
        『ダイヤローグス・インザ・ダーク』上演

2010年10月 4幕1時間余りの舞台作品に構成し『Dialogues in the Dark〜光/身体/闇〜』のタイトルで北九州
        「海峡演劇祭」にて上演(Stage01〜03)

2011年2月 『ホシハ チカニ オドル』と改題、広島公演(Stage04〜06)アビエルトにて
          トークゲスト
          18日 山戸明子さん(祝島出身) 湯浅正恵(広島市立大学)
          19日 柿木伸之さん(広島市立大学/ドイツ哲学)
          19日 「ザ・チョッケツ」編集部:武田惇志・林下弘憲・友田詩歩子 各氏

(2011年3月 東日本大震災/福島第一原発事故)

2011年7月 『ホシハ チカニ オドル』福岡公演(Stage07〜08)ぽんプラザホールにて
          トークゲスト
          25日 菊川千賀子さん(「ふくおか自由学校」共同代表/「さよなら原発・福岡の人」)
          26日 山中陽子さん(NPO法人たんぽぽとりで)

2012年6月 『ホシハ チカニ オドル』北九州公演(Stage09〜11)デルソルにて
          トークゲスト
           9日 深江 守さん(脱原発ネットワーク・九州代表/九電消費者株主の会事務局長)
          10日 江島 勉さん(画家/上海ノオト店主)
          11日 奥田知志さん(「NPO法人北九州ホームレス支援機構」理事長)

2012年7月 『ホシハ チカニ オドル』広島公演(Stage12〜14)アビエルトにて
          トークゲスト
          6日19時 Ayumさん(絵描き・cocoloya店主)・羽鳥智裕(華道家)
          7日13時 渡部美和さん(命ひろ異の会)
             17時 崔真碩さん(役者・野戦之海筆子/訳者・広島大学教員)

2013年4月 『ホシハ チカニ オドル』京都公演(Stage15〜16)アトリエ劇研にて
          トークゲスト
           5日 平田義さん(愛隣館研修センター所長・同志社大学社会学部非常勤講師〈社会問題論〉)
           6日 小暮宣雄さん(京都橘大学教員・地域芸術環境研究)

2013年8月『贋作・ホシハ チカニ オドル』広島公演(Stage17〜18)アビエルトにて
          貝原浩「風しもの村」原画展 と共に
          トークゲスト
          15日 東 琢磨さん(音楽・文化批評家)
          16日 ムラカミ・マサヒロさん (NPO職員、アーティスト)

2014年4月 『ホシハ チカニ オドル』宇部公演(Stage19〜20)こぐま保育園にて
          華道家・羽鳥智裕を迎えて
          トークゲスト
          12日 広島友好さん(役者/脚本家)宇部市在住
          13日 古和田扶美さん(学校図書館支援員)福島県から宇部に避難移住

2014年7月 『ホシハ チカニ オドル』大阪公演(Stage21〜22)座・九条にて
          トークゲスト
          11日 呉光現さん(NPO法人聖公会生野センター 総主事)
          12日 闇黒光さん(未知座小劇場)

2015年5月 『ホシハ チカニ オドル』熊本公演(Stage23〜24)早川倉庫にて
          トークゲスト
          22日 池田美樹さん(劇団きらら代表/劇作家・演出家)
          23日 外山恒一さん(我々団総統/反原発ファシスト)

2015年10月 『ホシハ チカニ オドル』東京公演(Stage25〜27)新小岩ZAZAにて
           シェアタイムゲスト
          23日 ペーター・ゲスナーさん(うずめ劇場/桐朋学園芸術短期大学 演劇専攻教授)
          24日13時 奥田愛基さん(SEALDs)
          24日17時 平井玄さん(批評家)

2016年1月 『ホシハ チカニ オドル』北九州公演(Stage28〜31)枝光本町商店街アイアンシアターにて
           シェアタイムゲスト
          29日 黒田征太カさん(絵描き)
          30日13時 四宮佑次さん(写真家/書家)
          30日18時 田北雅裕さん(九州大学大学院 人間環境学研究院 講師)
          31日 亀山ののこさん(写真家)

2016年7月 『ホシハ チカニ オドル』松山公演(Stage32〜33)「シアターねこ」にて
           シェアタイムゲスト
          8日 阿部悦子さん(「辺野古土砂搬出反対」全国連絡協議会共同代表)
          9日 村上理恵さん(ダンサー)※2015年の東京公演受け入れさん

2016年9月 『ホシハ チカニ オドル』広島公演(Stage34〜36)アビエルトにて
          20日  鏑木悟道さん(演出家/演劇企画室Vektor代表)
          21日  野外劇団「楽市楽座」のお三人
          22日  上村 崇さん(福山平成大学教授/ゾンビ愛好家)

2017年6月 『ホシハ チカニ オドル』久留米公演(Stage37〜38)久留米シティプラザCボックスにて
          30日  吉田晃児さん(日本バプテスト連盟 久留米荒木キリスト教会 協力牧師/〈久留米越冬活動の会〉理事)
         7月1日  小松杏里さん(久留米シティプラザ ドラマアーツ・ディレクター)

2017年9月 『ホシハ チカニ オドル』長崎公演(Stage39〜40)長崎市 平和会館ホールにて
          22日 林田光弘さん(長崎出身、被爆3世 / 明治学院大学大学院生
                        ヒバクシャ国際署名連絡会キャンペーンリーダー/元SEALDsメンバー)
          23日  古賀弥生さん(活水女子大学文学部現代日本文化学科 教授)

2018年11月 『ホシハ チカニ オドル』北九州公演(Stage41〜43)枝光本町商店街アイアンシアターにて
          23日昼 島田 清さん 元・北九州市立中学校長、『イベント校長の学校再生!』著者
          23日夜 西嶋真司さん 映画『抗い −記録作家 林えいだい−』監督
          24日昼 外平友佳理さん 「到津の森公園」獣医師、学芸員、博士(獣医学)

2019年2月 『ホシハ チカニ オドル』水俣公演(Stage44)エコネットみなまたにて
         16日昼 永野三智さん (水俣病センター相思社職員

2019年8月 『ホシハ チカニ オドル』京都公演(Stage45&46) 京都大学西部講堂にて
           1日 朴実さん(音楽家/東九条マダン元実行委員長/京都・東九条CAN フォーラム代表)
           2日 ひびのまことさん(関西クィア映画祭、天皇制社会日本に抵抗するクィア有志)

2019年9月 『ホシハ チカニ オドル』熊本公演(Stage47)やまなみこども園 くじらほーる
          28日昼 山並道枝さん(NPO法人ひかるつめくさ やまなみこども園) 
 
2019年10月 『ホシハ チカニ オドル』東京公演(Stage48〜50)中野plan-B
          25日 西谷 修さん(哲学者)
          26日 関田寛雄さん(日本基督教団神奈川教区巡回教師、青山学院大学名誉教授)
          26日 秋山 豊さん(映画監督、演劇ユニット「だらく舘」主宰)

2020〜2023年[コロナ中止]

2024年2月 『ホシハ チカニ オドル』北九州「海峡演劇祭ファイナル」参加公演(Stage51〜53)関門海峡ミュージアム
          3日昼 山口恭子さん(演劇作業室 紅生姜) 
          3日夕 宮下 緑さん(一生もんshop緑々)
          4日  池部哉太さん(Bloomy Days Vintage)
 
  


劇中音楽集
(CD-R)

『ホシハ チカニ オドル』劇中で演奏する谷本仰の音楽をスタジオ録音で1枚にまとめたサウンドトラックです。全14曲。

私たちが公演を続けられるよう、購入によりご支援頂けますようお願いします。

公演会場では1500円にて販売。通信販売はプラス送料をお願いしてます。

tanise@har.bbiq.jp(ピカラック)まで
枚数、郵送先の住所/氏名/電話番号 を明記でお申し込みください。振込口座を返信いたします。



いのち奪われ、もの言うことを許されなかった人々。彼ら彼女らの言葉や祈り、叫びや歌、踊り。
それらが星
となって夜空の闇に輝いているなら、それらをつないで星座を見出し、
まったく新しい物語を聴き取ることができるはずだ。
  4のまたたき 
  「チェルノブイリの森の奥、
   星は語りあい、踊り始める」






5のまたたき 
「数億年前の星の光がその痕を照らすなら
 天使も新しい物語を見上げるかも知れない」
1のまたたき 
「東海村JCOで光を浴びた
 お父さんのとこに来た白いもの」






 2のまたたき 
 「黒い妊婦が孕むものは
  世界の痛みと、そして」




3のまたたき
「土を踏みしめ、
  おきろと叫ぶ声」



ひとりの役者とひとりの演奏者による光と闇をめぐる時間